ボン・ボヤージュ便り

旅の終わり…そして次の旅へ!


きつくても「思い出」は財産

 旅行を終えて、わが家が近づいてくると、いつも決まってつぶやきます。「やっぱり日本が一番いい。わが家が一番」と。
 言葉やマナーが分からずあたふたすることも、スリにあったり、タクシーでごまかされる心配も、食べ物が口に合わず閉口してしまうことも、もうありません。そう考えながらわが家に帰りつくと、心からほっとするのです。
 普段はついつい、日本に対する不満や未来への不安など、この国のマイナスの部分ばかりを見てしまいがち。ですが、外国に行けばいくほど、日本のよさを再認識させられ、この国をもっともっと大切にしていかなければならないと思います。

 私たちはいったいなぜ、お金と時間を使ってたいへんきつい思いをしながらも、旅にでるのでしょうか。私は「旅の思い出」は、生涯の財産だと考えます。
 旅に出ると、現地の人とのほんのちょっとした会話やふれあいが心に残り、私にとってそこが大好きな特別な国になります。ですから、日本に来て戸惑ったり、困ったりしている外国からの旅行者にも、できるだけ親切にしたいし、日本でいい思い出をたくさんつくってほしいと思います。

 新しい旅行かばんを見つけると、このかばんに何をどんなふうに詰め込んでどこへ行こうか、とわくわくしてきます。
 友人に「あの国はよかったよ」と聞くとぜひ行ってみたくなります。逆に、知人に「どこどこの国はまったくもってひどかた」と聞いても、それはぜひ私も行って確かめてみたいと思ってしまうのです。

 休暇と聞くと、サムソナイトのスーツケースにお気に入りのグッズを詰め込んで、また見ぬ国への旅を夢見ます。
 これもきっと、日本という平和な国があるからこそ、安心して外国に出かけられるのでしょう。
 それではみなさんも、どうぞよい旅行を。(旅行用品専門店ボン・ボヤージュ 店長・和泉勝美)

(熊日日々新聞・夕刊2000年12月27日号掲載)


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