ボン・ボヤージュ便り

それぞれのリゾート


何もしないリゾート

 みなさんはリゾートという言葉にどんなイメージをおもちですか。私は何年か前まで、リゾートなんて自分には無縁の世界だと思ってました。マリンスポーツには興味がないし、水着姿には抵抗があるし、何だかお金もかかりそうだと思ってました。でも、5年前にバリ島に行って、認識が変わりました。

 少し体調を崩していた私は、ある人に「バリ島に行ったら、そんなのいっぺんに治りますよ」と勧められ、即バリ島へ出掛けました。ウブドゥという所のコテージに滞在し、そこで初めて「何もしないリゾート」というものを体験したのです。たまたま雨季で何もできなかったというのが正しいかもしれません。

 何時間も熱帯雨林の雨を眺めたり、雨上がりの静かなプールでゆっくり手足を伸ばしたりしているうちに、それまで蓄積していた疲れやストレスが、みんな溶けてしまう感覚でした。

 リゾートという言葉を辞書で調べると、「保養地」とか「滞在する」という意味が出てきます。アジアのリゾート地では年配のヨーロッパ人が散歩をしたり、砂浜で日光浴をしたり、プールサイドで本を読んだりしている光景をよく目にします。
 私も、いつも「何もしないリゾート」に成功しているわけではありません。オーストラリアのケアンズでは、間違ってカジュアルなリゾートホテルを選んでしまいました。にぎやかな雰囲気にのせられて、5日間でラフティング、ダイビング、クルーズ、サイクリングと盛りだくさんで、典型的日本人型のリゾートになってしまったのです。

 それはそれで楽しかったのですが、ホテルによってリゾートの中身も変わってくると思いました。若い人のグループなら、マリンスポーツなどのアクティビティの充実したホテルがいいでしょう。家族連れなら日本語の通じるカジュアルなホテルやコンドミニアムがいいでしょう。女性同士だったらゴージャスなリゾートホテルで優雅な気分を味わうのもおすすめ。自分のリゾートに合ったホテルを選ぶのも大事です。(旅行用品専門店ボン・ボヤージュ 店長・和泉 勝美)

(熊日日々新聞・夕刊2000年7月26日号掲載)

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