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■仏独、戦争回避への対抗案 |
ドイツの週刊誌シュピーゲル(電子版)は8日、ドイツとフランスが、米国による対イラク戦争を回避するため、国連軍を派遣して大量破壊兵器の査察を強化する計画を作成中だと報じた。独政府の報道官は同日、「独仏両政府は、イラク紛争の軍事的解決の代案として、ある特定の平和的選択肢を共同で検討している」と朝日新聞記者に語り、報道の内容を間接的に認めた。 米国のパウエル国務長官が5日に国連安全保障理事会でイラクの安保理決議違反の証拠を提示したことなどを受け、一部の国々は米国が進める対イラク強硬策に同調する動きも出ている。米英両国は、軍事行動へ向けた新たな決議提出を検討しているが、独仏両政府のこの計画は、平和解決へ向けた対抗案になる可能性もある。 国連安保理への共同提案を目指す… 同誌によると、独仏両政府は今年初めから、イラクの武装解除策を検討していた。この計画では、国連の査察官の人数を現在の3倍に増やす▽国連の承認を受けた数千人規模の武装部隊が査察団の安全を確保し、全土にわたり大量破壊兵器開発の調査を進める−−などの内容。 フランスのドビルパン外相は5日のパウエル氏による報告の後の安保理演説で、査察を強化して継続することを主張し、「一定地域や施設の監視を担う特別な部隊を派遣することも可能ではないか。その支援の用意がフランスにはある」と表明していた。 この計画について独仏両政府は、ロシアのプーチン大統領や、中国の胡錦涛総書記、欧州連合(EU)議長国ギリシャのシミティス首相ら、米国の強硬な対イラク政策に慎重な姿勢をとっている国々の首脳とも水面下で意見を交換しているとされる。 非常任理事国のドイツは2月の安保理議長国。フランスとの共同提案として、この計画を安保理に提案することをめざしているという。ロシアのプーチン大統領は9日から独仏両国を訪問する予定で、訪問中にこの計画が議題になる見通しが強い。 |
朝日新聞2003年2月9日asahi.com |
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