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15日、バンコクの米大使館前で反戦のデモ行進をする参加者=AP |
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ニューデリーで15日、プラカードを首から下げて反戦を訴えるインドの生徒=AP |
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15日、アテネのアクロポリスの城壁に掲げられたイラク攻撃に反対する横断幕=AP |
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米国のイラク攻撃に反対する集会やデモが15日、世界各地であった。時差に従って、日本やアジア諸国から始まった反戦の輪は、ロンドン、パリ、ローマなど欧州各都市での大規模な行動へと広がり、ニューヨークの国連本部前などで集会が開かれる米国にまでつながる。英メディアによると、計60カ国、600都市で約1000万人が参加し、60年代のベトナム戦争時を上回る規模になる見込みという。
香港では15日、中心部のセントラルで宗教団体や環境保護グループなど約20団体が反戦集会を開き、700人(警察調べ)が参加。欧米人やインド、パキスタン人ら若い外国人の姿も目立った。「宗教を戦争の道具にしてはならない。私たちの信じる宗教はみな、罪なき人を殺すな、と説いている」とキリスト教、イスラム教の信者団体が共同声明を発表。環境保護団体のメンバーは寸劇でイラク攻撃反対を訴えた。集会後、近くの米総領事館までデモ行進した。
ソウル市内では11月末から1日も欠かさず開かれている韓米地位協定の全面改定などを求める集会の参加者らも、米国のイラク攻撃に反対を訴えた。ソウルの別の反戦集会では、米国の攻撃阻止を目指して16日にイラクに向けて出発する女性メンバーらも参加した。
米国のイラク攻撃に反対する集会が15日、バンコクでもあった。イスラム教徒や平和運動などの約80団体から、2000人余りが米大使館前に集まり、イラク問題の平和的な解決をブッシュ大統領に求める手紙を、大使館員に渡した。
参加者が手にした横断幕やプラカードには「ブッシュは悪魔の枢軸だ」など、米国を激しく批判する言葉が並んだ。大使館周辺にはタイ警察が厳戒態勢で待機したが、混乱はなく、デモは平和的に行われた。
デモに参加したイスラム教徒の教師アディット・ムンマンさん(50)は、「米国のやり方は強引だ。世界中のイスラム教徒が怒っていることを伝えたい」と話した。仏教国タイのイスラム教徒は人口の約5%だが、米国製品の不買運動を呼びかけるなど、米国の対イラク強硬姿勢に不満を示している。
対イラク戦争に反対するデモと集会は15日、ドイツ各地でも開かれ、ベルリンでは警察によると約50万人が参加した。
シュレーダー独政権はイラク問題の平和的解決を主張しており、反対集会にはトリッティン環境相ら3閣僚も姿を見せた。与党、社民党の支持率は経済政策などが批判され各世論調査で20%台に落ちているが、戦争反対のイラク政策は70%以上が支持している。しかし、戦争が始まった場合に同政権は米英軍の領空通過や国内の基地使用などを認め、欧州最大の後方支援基地になることに対して平和団体から強い批判の声が出ている。
ロンドンでは15日正午(日本時間同午後9時)前、中心部の2カ所でデモ行進が始まった。参加者は「石油のための戦争に反対」などと書かれた横断幕やプラカードを手に、集会場のハイドパークへ歩いている。ロンドン警視庁の調べによると、行進の参加者は50万人を上回っている。
また、英与党・労働党が会議を開いているスコットランドのグラスゴーでは、約4万人がデモ行進し、ブレア首相ら党幹部が集まっている会場へ詰めかけた。北アイルランドのベルファストやアイルランドのダブリンでも、大規模な反戦集会が開かれている。
米英のイラク攻撃に反対するデモが15日、ダマスカス、カイロ、アンマンなどアラブ世界各地でも行われた。米国によるイラクへの武力行使への反対とともに、イスラエルによる対パレスチナ攻撃反対も掲げた。
ダマスカス市中心部では過去最大規模の約20万人が参加。シリア、イラク、パレスチナの旗が交じり、「イラクへの戦争反対」の横断幕がはためいた。一方のカイロ中心部では、2000人以上の治安警察が出動する厳戒態勢のなか、ムスリム同胞団などイスラム勢力を中心に500人ほどが集まり、「ブッシュ(米大統領)はイスラムの敵」などと叫んだ。
パリの反戦デモには、呼びかけた左翼政党や労働組合だけでなく保守中道政党の支持層も参加、20万人規模にふくらんだ。
反戦活動家のセルジュさん(58)は「昨日のドビルパン外相の演説はよかった。この調子で徹底してもらいたいね」と、日頃は批判する政府にエールを送った。デモにはフランスの三色旗を掲げる「愛国主義者グループ」も。メンバーは「どう転んでも米国は戦争をやるだろうが、国際社会の名前が使われるのはごめんだ」などと話していた。
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